いかなる組織にも災害復旧計画は必要(無料テンプレート)

2022年12月14日 - オントラック・チーム

災害復旧計画

企業のテクノロジーやデータ、ITインフラへの依存がますます高まるにつれ、システムエラーやダウンタイムの影響はかつてないほど大きくなっています。

予期せぬ出来事や災害が発生すると、業務が突然停止する事態に見舞われることがあります。こうなると、財務的な観点から見た場合に途方もないコストがかかるだけでなく、企業の評判にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、できるだけ早く業務を復旧し、再開することが重要です。

予期せぬ出来事を効果的に管理するための鍵は、しっかりと考えられた包括的な災害復旧計画です。計画を準備しておかないと、事業が高額な財務コストや評判の喪失というリスクにさらされ、顧客もリスクにさらすことになります。

 

災害復旧計画 (ディザスタリカバリプラン) とは?

災害復旧計画は、事業継続計画の根幹を成すものです。企業のIT運用に影響を及ぼす以下のような災害に、組織がどのように対応するかを詳しくまとめた正式な文書です。

 

災害復旧計画の利点とは?

災害復旧計画の目的は、

  • 業務の中断を最小限に抑えること
  • 発生する混乱や損害の程度を最小限に抑えること
  • ダウンタイムの経済的影響を限定的にすること
  • 代替運営方法を事前に計画し、促進すること
  • 関係するチームメンバーに、緊急プロセスや手順を熟知させること
  • サービスの速やかな復旧を促進すること

最終的に、災害復旧計画の主要な目標は、たとえ最小限レベルの運営であったとしても、企業のITチームがその運営に必要なだけのデータとシステムの機能を復旧可能にすることです。

災害復旧計画は、規模や業界に関わらず、どのような企業にも欠かすことができません。計画外の停電が引き起こす混乱は、評判の失墜、内部・外部の関係者の不満、収益の損失といった結果を招くことがあります。さらに、復旧に時間がかかるほど、影響も大きくなります。

綿密な災害復旧計画があっても、災害の発生を防ぐことはできませんが、組織が速やかに復旧し、混乱を最小限に抑えられます。

 

災害復旧計画には何を含むべきか?

組織によってITの使い方が異なるため、一つあればどんな場合にも通用するような災害復旧計画というものは存在しません。災害復旧計画を作成するにあたっては、企業に特有のプロセスや継続ニーズを分析することが必要になります。

計画は通常、リスク分析やビジネス・インパクト分析、復旧目標に基づいて作成されます。

成功するITデータ復旧計画 のほとんどは、類似の枠組みに沿ったものであり、以下が含まれます。

ビジネス・インパクト分析

計画のこの部分は、事業の運営に欠かせないIT機能と、そのIT機能が中断したときに事業に及ぼす影響を特定します。また、可用性や復旧時間、バックアップ、データの完全性、データの機密性に関する事業ニーズも調べます。

ロバスト性解析

ビジネス・インパクト分析の後は、ロバスト性解析を実施します。事業を支えるために、正しい水準のロバスト性が整えられていることを確認します。ロバスト性が低すぎるとリスクになり、逆に高すぎると不要なコストを生みます。

連絡先情報

いかなる災害にあっても、連絡がうまく取れるかどうかが鍵になります。災害復旧計画には、社内の主要な人員の連絡先情報と、社外の主要な連絡先が含まれていなければなりません。あらゆる情報が最新に保たれ、全チームメンバーが計画の実施にあたり各自の特定の役割を理解していることを確認します。

ソフトウェア・アプリケーション・プロファイル

全ソフトウェア・アプリケーションの包括的なリストと、それぞれが業務に致命的であるかどうかを示すもの。

インベントリー・プロファイル

全ハードウェアにつき、所有品かリース品かも含め、メーカー、型式、シリアル番号、費用を包括的にまとめたリスト。

災害復旧手順

潜在的なリスクに備えて、すでに作成されている災害復旧手順書の詳細な情報が含まれている必要があります。これには、以下の内容が網羅されていなければなりません。

  • 災害復旧シナリオ
  • 考えうる原因
  • リスクにさらされるITサービスおよびデータ
  • 潜在的な影響
  • 予防措置
  • 行動計画
  • 主要な連絡先

改訂履歴

計画に加えられた全改訂とその日付の記録。

このような中核的要素により、この計画が、インシデントに素早く対処し、ダウンタイムを最小限に抑え、評判の悪化と財政的な被害の両方を抑えられます。

 

成功する災害復旧計画を作成する方法

貴社の事業のための災害復旧計画を作成する際には、計画を有効なものにするために留意すべきポイントが、以下を含めていくつかあります。

潜在的インシデントを幅広くカバーする

計画は、1種類の災害のみに集中するよりも、ハードウェアの故障および自然災害からサイバー犯罪および人為的ミスに至るまで、潜在的インシデントを幅広くカバーする計画を立てることが重要です。

チームとしての取り組み

災害復旧計画を作成する際には、会社全体からできるだけ多くの社員を関与させることが重要です。こうすることにより、あらゆる視点から潜在的な問題点と脆弱な点 を特定できるようになり、計画を可能な限り隙のないものにできます。

テストを重ねる

災害復旧計画を準備する際には、徹底的に何度もテストすることが重要です。こうすることにより、計画が目的に合致していることが確認できるため、実際に実行する必要が生じた際に、最善の結果を出せるという安心感を得られます。

最新の状態に保つ

最初の災害復旧計画が出来上がっても、それが計画作成の終わりではありません。ソフトウェアやハードウェアなどの事業の要素は常に変化しており、新しく進化する脅威の性質も変化します。したがって、計画を常に見直し、更新することが重要です。

シンプルに保つ

災害復旧計画は、数百ページに及ぶ必要はありません。企業の大半は、通常、2ページから10ページ程度のシンプルな文書で十分です。あらゆる関連規則を網羅するために計画を長くする必要がある場合は、社員と共有するために、社員が取るべき措置のみに絞った短いバージョンを作成することを検討してください。

 

当社作成のIT災害復旧計画のテンプレートをダウンロード

当社作成のIT災害復旧計画の文書は、計画の基礎的な要素を網羅しています。これを使って、貴社のデータやインフラが深刻なITインシデントまたは災害に巻き込まれた場合に、通常業務を再開するために必要な事柄について、検討を始めていただけます。

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