世界初のデータ復旧

2014年1月9日 - サム・ウィルトシャー (Sam Wiltshire)


  • 目次
  1. 謙虚な始まり
  2. 新しい問題の経験
  3. 必然的になったデータ復旧エキスパート

 

弊社ケーエルディスカバリ・オントラックが世界初の商用データ復旧に成功してから約30年が経過しました。この重要なマイルストーンに到達した経緯は、Ontrack Computer Systemsという会社がDisk Manager®と呼ばれるコンピューターのハードディスクを簡単にインストールできるソフトウェアプログラムを構築した1985年にさかのぼることができます。

 

謙虚な始まり

当時、オペレーティングシステムとBIOSの制約により、コンピューターはハードドライブの全容量を最大化できず、約32メガバイトのデータしか保存できませんでした。 Disk Managerは、コンピューターのBIOSをオーバーライドできるため、ディスクメーカーの注目を集めました。これにより、お客様はコンピューターにドライブをインストールし、ボタンをクリックするだけで、ハードドライブの全ストレージ容量を取得できるようになりました。メーカーは自社製品にDisk Managerを組み込み始め、このソフトウェアは最終的に1億5000万部以上を売り上げました。この提携は、データ復旧を専門とする最初の企業となったOntrack Computer Systemsの新事業の形成にもつながりました。

 

新しい問題の経験

ディスクメーカーと緊密に連携することで、Ontrack Computer Systemsのエンジニアは、すべてのディスクドライブがプラッターに対してデータを読み書きする方法、およびさまざまなオペレーティングシステムがストレージを使用する方法の専門家になることができました。この専門知識により、エンジニアは1987年に世界初の商用データ復旧を可能にしました。同年に、ある米国の会社は、ごみ収集車のCAD図面を失ったきっかけに、Ontrack Computer Systemsをアプローチしました。この会社は、新製品であるごみ収集車の設計にすべての時間とお金を費やし、サーバーのハードドライブが突然クラッシュしてしまい、すべてのデータを失いました。

同社はシーゲイトハードドライブを使用し、ドライブのオペレーティングシステムはノベル(Novell, Inc.)でした。どちらの製品も、当時ストレージ容量と柔軟性を再定義する革新的な先駆者でした。シーゲイトは1980年に最初の5.25インチハードディスクドライブ(HDD)を開発し、その10年間でマイクロコンピュータ市場の主要サプライヤーになりました。多くの企業がシーゲイトディスクの使用を開始しましたが、ハードドライブがデータを保存する方法の複雑さを理解している企業はほとんどありませんでした。ディスクについてもっと知りたいと思ったとしても、企業はシーゲイトの製品の継続的な開発と革新に追いつくためにメーカーとの関係を持っていませんでした。これは、彼らが取り組んだオペレーティングシステム、特に、ごみ収集車メーカーが災難に遭ったときに使用されたプラットフォームであるノベルにも同じく当てはまりました。もし、データを復旧できなかった場合、会社のビジネスモデル全体がこの1つの設計を市場に出すことに基づいていたため、会社は破産してしまうことになったでしょう。

 

必然的になったデータ復旧エキスパート

同社は当初、ハードドライブとオペレーティングシステムの製造元にサポートを求めましたが、データを取り戻す試みは失敗しました。会社はパニックになり始め、実際のディスクメーカーとプラットフォームメーカーがデータを回復できなかった場合、新進気鋭の同社は、何にすがればよかったのでしょうか。シーゲイトとノベルは、強力な顧客関係を維持することに非常に熱心であり、同社がOntrack Computer Systemsと連絡を取ることを推奨しました。リカバリエンジニアは、クラッシュしたドライブに数週間を費やしてから、何とかブレークスルーを果たし、ファイルをリカバリしました。CAD図面は復元され、クライアント様も救われ、Ontrack Computer Systemsは世界初のデータリカバリビジネスであるOntrack Data Recovery®になりました。 KLDiscovery Ontrack、メーカー、OEMの間で形成された素晴らしい関係は、会社を新たな高みへと導くのに役立ち、やがてメーカーは、自社製品にバンドルされたDisk ManagerソフトウェアのスリーブにOntrack Data Recovery (現在のKLDiscovery Ontrack)の連絡先の詳細を含めるようになりました。ソフトウェアは世界中に配布され、ビジネスは成長し、その結果、現在のKLDiscovery Ontrackが設立されました。その後は皆様ご存知のよう歴史に刻まれております。

 

(原文:英語)
(翻訳: KLDiscovery Ontrack株式会社)