データ復旧プロセスのご紹介

2015年5月15日 - ピーター・ロビンソン (Peter Robinson)

データ復旧のプロセスとは何でしょう?
1キログラムのパン粉から一斤のパンを再現するのと少し似ています。 米国のスペースシャトルコロンビア号(2003年2月1日に地球の大気圏に戻ったときに悲劇的に崩壊してしまった米国のスペースシャトル)からディスクドライブを受け取ったとき、それは私たちがPCから知っているデバイスのようなものではありませんでした。ディスクは大気中で部分的に燃え、それから大きな高さから湖に落ち、そこで半年後に発見・救出されました!クラッシュする前に保存されていたデータの99%を復旧できたのは、想像を絶する経験でした。では、データ復旧プロセスはどのようなものなのでしょうか?

 


  • 目次
  1. 診断
  2. クリーンルーム
  3. データ復旧
  4. データの準備
  5. 最後の一言

 

診断

データの消失と復旧に関して重要な最初のステップは正しい診断です。データ消失の原因を知らずにデータの復旧プロセスを適切に開始することはできません。診断により、ディスクに物理的な障害があったのか、論理的な障害があったのかを特定できます。

  • 物理障害(ハードウェアレベル)は、引っかき傷、ハードウェアの破損、火災による損傷、または液体による損傷の場合があります。このような場合、損傷を受けるディスクの最も一般的な要素は、読み取り/書き込みヘッド、内部および外部のドライブエレクトロニクス、モーターベアリング、またはプラッター自体です。このような場合の復旧プロセスは、実験室の条件、つまりクリーンルームで最新の技術を使用する専門家が行う必要があります。
  • 論理障害(ソフトウェアレベル)は、データの論理構造の整合性の障害によって引き起こされます。実際のメディアの損傷によるものではありません。そのような場合、市販のデータ復旧ソフトウェアを使用できることもありますが、大半は問題が非常に複雑であるため、データ復旧ラボの技術員による作業が必要になります。

 

クリーンルーム

クリーンルームは、専門的なデータ復旧サービスを提供するすべての企業の主要部門です。これは、専門のハードウェアおよびソフトウェア機器で構成される専門的なワークショップです。テーブル、椅子、棚、特別な容器、道具、さらには適切な材料で覆われた床など、非常に重要な他のアイテムはより普通のものです。設備の整ったクリーンルームには、 実体顕微鏡、はんだ付けステーション、クリーンルームベンチがあります。 実体顕微鏡は、エンジニアがますます小さくなってきているハードディスクコンポーネントや他のストレージメディアで作業するのに役立ちます。データの損失が物理的な損傷によって引き起こされるたびに、データ復旧エンジニアはハードディスクの内部部品で作業する必要があります。高度なデータ復旧作業時には、作業部屋の空気の質の最高レベルが維持されることを保証する必要があります。開いたハードディスクで作業するための標準環境は、空気の質の観点から「クラス100」に分類されます(*0.5μm微粒子が1立方フィートのなかに100個以下の場合はクラス100)。 ESD保護(静電気保護)は、最高レベルの効率と安全性を実現するために考慮しなければならないもう1つの重要な要素です。これは、制御されていない放電が、ハードディスクの電子部品を含むコンピュータシステム内の電子部品に損傷を与える可能性があるためです。これを回避するために、ESD保護された機器と誘電体材料が使用され、これには、専門の作業台、収納箱、手工具、帯電防止エプロンが含まれます。

 

データ復旧

さまざまなタイプのメディア障害(物理的または論理的)には、さまざまな復旧アプローチが必要です。


論理障害

論理的な障害が発生した場合、専用のソフトウェアが必要です。このソフトウェアは、ディスクの内容を読み取り、データの損失につながる構造上のエラーを修復します。論理データ障害の理由:

  • 破損または読み取り不可能なマスターブートレコード(MBR)
  • 削除されたパーティションまたはパーティションテーブル
  • オペレーティングシステムの再インストール(バックアップなし)
  • 工場出荷時の設定の復元(バックアップなし)
  • ファイルシステムの破損または欠落
  • 削除されたファイル
  • フォーマットされたディスク
  • RAIDコントローラーの損傷(RAID構成の喪失)


物理障害

物理的な損傷の場合、状況ははるかに複雑になります。 故障したディスクからのデータの復旧は、無菌環境で実行する必要があります。無菌環境下においてはじめて、ディスクを安全に分解、テスト、および修正することができます。故障したコンポーネントは、ドナーディスクから一致した、完全に機能するスペアエレメントと交換する必要があります。ドナーディスクは、タイプ、モデル、および製造日で一致させる必要がある場合もあります。プラッターへの物理障害がある場合、エンジニアはプラッターの損傷していない部分に復旧作業を集中する必要があります。このような復旧を必要とする場合は、通常、複数のドナーディスクのセットを使い果たし、また、予測していた復旧時間を延長する可能性があります。 物理的な復旧プロセスが完了した後、通常は論理構造も修正する必要がありますが、このプロセスは、ジグソーパズルを組み立てるプロセスと似ていると見なすことができます(再作成したい断片がデータセット全体に決して似ていないことを考えると、このプロセスは、もっと難しいプロセスです)。 おそらく、より正確な比較は、犬が噛み砕いたジグソーパズルを組み立てることでとおなじくらい難しいことでしょう!

 

データの準備

すべてのデータ復旧プロセスが完了したら、顧客の皆様に返却する前にデータを準備する必要があります。復旧されたファイルは、新しい外付けハードディスクにコピーされ、セキュリティを強化するために暗号化されます。すべてのプロセスの最後の段階は、顧客の皆様自身によるリカバリ結果の承認で、データ復旧が成功したか失敗したかを判断いただけます。

 

最後の一言

以上が一連のデータ復旧プロセスです。弊社では、読者の皆様のデータが常に安全であることを願っており、このブログで共有させていただいた情報が、お役に立つことができれば幸いです。

 

(原文:英語)
(翻訳: KLDiscovery Ontrack株式会社)

 


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